聖骸の魔女の簡単な感想
漫画ばかり読むと頭が悪くなる。子供の頃からそう言われ、それなりに漫画をたしなんできた私は、実際に頭が悪い人間となった……。
今でも私は、主に漫画喫茶で漫画を読んでいるのである。数々の漫画を読み、また読了した。
「聖骸の魔女」である。全七巻である。
舞台は中世ヨーロッパ。ローマ。魔女に村を焼かれ孤児となった主人公は、修道会の偉い人に拾われて修道士となる。
この世界では魔女という存在がいて、人間の驚異だからなんとかしなければならない。
魔女に対抗できるのは魔女だけ。主人公は古に封印された伝説の魔女たちと契約を交わし、魔女を倒してゆくのである。
魔女は主人公の涙や血などの体液を摂取することで、変身(パワーアップ)する。という設定。主人公がヒロインの力を引き出す、ヒロイン強い系の系譜である。
堅いタイトルからシリアスな漫画かと思いきや、中身はギャグ。エログロとギャグだ。
ネットスラングや他漫画からのパロディもかなりある。エロ、グロ、パロ。この時点で、決してナンバーワンになれない宿命を背負っている。映画の表現を借りれば、B級というわけだ。
そういうわけで、エロ、グロ、パロを楽しむ作品であった。ヒロインも、クーデレ、ギャルデレ、ヤンデレというテンプレートを使うことで物語を盛り上げている。
主人公の正体などストーリーを頑張っている箇所が見られるが、ヒロインの口調が現代的なところ、変身後ヒロインのデザインが奇抜すぎる(蝶々、キノコなどをモチーフにしたエロ衣装)ところに目がいってしまう。特にヒロインは変身しないほうがかわいいので、がっかり感があった。メインヒロインの存在感がないことも苦しい。
最終巻は駆け足で、打ち切りを匂わせる内容となった。作品作りの難しさを感じさせられる出来栄えであった。