好きなものがない
私はこのところ、なんか文章を書いているのだが、そうしているうちに、文章が好きなわけではないんだな。と思うことがある。理想の文章とか、作家とか、そういった人がいない。好きな作家はいない。
かといって、他の何が好きなのか自分でもよくわからない。私の人生、わたあめのようなものだ。ふわふわで舐めれば溶ける。空っぽの人間。
なぜこんなに無気力なのか? 自分でもわからない。生まれつきなのかもしれないし、後発的なものかもしれない。だが、一つ言えるのは、それによって私が苦しんでいるということである。
そうなのだ。好きなものがある人からすると考えられないかもしれないが、好きなものがない人というのは大変苦しんでいるのである。好きなものがないという劣等感を抱えながら生きているわけである。劣等感ばっかりだな。
しかし逆に考えると、世間一般で自分の好きなことを本気で頑張っている人が尊敬されるのは、実際のところ、好きなものが存在しない人間が案外と多いからなのではないのだろうか。
ましてYoutuberとか、「好きなことで、生きていく」っていう標語があるが、それ、どれだけの割合でそうなのか? 本当に好きなことで生きているのだろうか? 好きなことが途中で変わっても、変えられなくて苦しいのではないか? そんな妄想がある。
が、そんな妄想は、詮無きものだ。そんなことはYoutuber本人にしかわからないことだからだ。それに、彼らにもきっと、好きなものは別にある。
やはり私以外の人間は、好きなことに情熱を傾けて、好きなものに囲まれた人生を歩んでいる。どんな環境でも、それに変わりはない。それがわかるから苦しいのか。何ら好きなものがない私は、ああ、何なんだろうか。