自殺をしない理由
自殺をするしない、という問題がある。くだらない漫画とかしょうもない人が得意げに話す雑学で有名なものがあるのだが、
『日本では年間三万人程度の自殺者がいる』わけである。巷で噂をされているが、実態はどうなのか。
日本の自殺者のデータは警視庁のHPで公開されている。平成16年のものから現在にいたるまで、PDFのレポートを誰でも閲覧できる。
年齢別、県別、月別、職業別などのデータがまとめられている。当たり前だが、職業別の割合でいえば無職が一番多い。平成29年のデータでは、じつに自殺者のうち57.6%が無職であった。
こういう一般公開するための自殺者の統計を、日本の警察は真面目に作っているのである。
世間では私のようにほとんど無職で信じがたいほどの人物が存在するのだが、なぜ自殺しないのかという疑問を抱かれることがあるかもしれない。
が、そんなことは自分でもわからない。死にたくない、と思える日もあれば、死にたい、と思う日もあるわけだ。今日は死すべき日だ、などと思っても、しばらくするとそうでもなくなったりする。
しかしその理由には、決定的な何かがあるのだろう。いま考えてみると、行動力が関係しているように思う。
うつ病患者が自殺をするのはいつなのか、ご存知だろうか。
うつが最も重いときではない。意外にも、うつが回復してきた時なのである。
その際、うつ病の人間は几帳面な人が多いから、行動力を取り戻した患者は淡々と自殺をこなすのだそうだ。
逆に、うつの症状が最も重い時には、自殺をする元気すら失っているので自殺ができない、と言われている。
私はこのところ、なにか、あらゆる行動力を失っている。そもそも大した行動力などないのだが。それで自殺をしていないという可能性がある。
自殺の要素がストレートフラッシュであっても、その人があまりにもダメな人間であれば自殺をしないのかもしれない。
たぶんそれが私が自殺をしない理由である。それがいいことなのかはわからないが。